大量行動は全ての問題を解決する アンソニー・ロビンズ

アンソニー・ロビンズ(トニー・ロビンズ)が昨年2014年4月に初来日したときのセミナーで、大量行動は全ての問題を解決する、と言い切っていました。

つまり、大量行動することでどんな問題も解決できる、ということです。

全ての問題を解決できる、というのは言い過ぎではないか?という気もしないでもありません。何も考えずに大量に同じ行動をしても解決できない問題はありえます。

しかし、もちろん、そういう意味では無く、トニーが言っているのは、毎回考えて新しいやり方を試しながら改善を繰り返す大量行動をすることで問題が解決できる、ということでしょう。

エジソンが約7000種類の材料を試してようやく京都の孟宗竹から作ったフィラメントが最もよいことがわかり、電球の発明につながったように、大量行動することで成功できる場合もあります。

しかし、野口英世は黄熱病ウイルスを光学顕微鏡で探しているうちに黄熱病にかかって亡くなりました。これはウイルスはナノメートル(nm、10億分の1メートル)の大きさしかなく、1000倍程度までしか見えない光学顕微鏡では絶対に見えないのに、一生懸命光学顕微鏡で探した結果です。

つまり、原理的に不可能なことを大量行動することで解決しようとしても出来ない場合はある、ということだと思います。

野口英世に限らず、研究者の世界では、今ある技術ではいくら頑張っても解決できないテーマはたくさんあると思います。そして、電子顕微鏡のような装置が発明されればすぐに解決できる問題もたくさんあります。

あるいは、遺伝子の塩基配列の解読方法が発明されたり、タンパク質の構造を決定できるX線回折方法があれば、一瞬で解決できても、それがない段階で大量行動しても原理的に解決できない場合もあるでしょう。

そういう場合に、常に改善を考えながら大量行動していると、これは原理的にやっても無駄で、その前のこの技術を開発する必要がある、とわかり、電子顕微鏡の開発や遺伝子の塩基配列解読法、タンパク質の構造決定方法の研究に移るか、それを共同開発するようになると思います。

そうすれば、いずれ原理的にも問題が解決されることでしょう。そのあたりは、科学者の直感、センスも重要です。本当に優秀な科学者は、普通にやっていても、すごいテーマに当たり、すごいデータを出すものです。逆に、頑張っているけど平凡な研究成果しか出さない研究者はずっと同じようにさえない研究成果ばかり出します。

そういう意味も含めれば、今うまく行ってる人は大抵の問題は大量行動で解決できると思います。試験にしても、スポーツにしても、音楽にしても、大量に練習すればそれなりにうまく行きます。

弁護士の山口真由さんは、1日19時間半勉強して司法試験の口述試験に合格しました。それだけ勉強すると、頭の中で蛍の光の歌が流れるようになったそうです。幻聴が起こるほど勉強していたので一歩間違えば気がふれていたかも知れません。

他の資格試験でも合格する人は2000~3000時間、人によっては5000時間~1万時間も勉強しています。

宮本武蔵の『五輪書』にも「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」というのがあります。

スポーツの場合、やみくもに長時間練習したら勝てる、というものでもありませんが、やはりある程度の時間集中して練習する必要はあるでしょう。

ただ、練習をしすぎて故障しないように細心の注意を払う必要もあります。でなければ野口みずき選手のように女子マラソンで走りすぎてオリンピックの直前に疲労骨折して棄権欠場して、結局その後の大会ではぱっとしないまま引退せざるを得なくなる場合もあり得ます。

このようなことが起きにくくするには、イメージトレーニングをうまく取り入れればよいように思います。また、イメージトレーニングをやれば実際の練習時間は短くても勝てるようです。

そして、山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長は、VWが大事、というのをアメリカのグラッドストーン研究所の教授から教わったそうです。VWとはフォルクスワーゲンではなく、ビジョン&ハードワークの略です。

つまり、ビジョンを持って猛烈に研究すればうまく行く、ということなのでしょう。また、やってもうまく行かないテーマはうまく行くビジョンが持てないので結果的にうまく行くテーマを選択できるのではないかと思います。

成功法則は、このVWに集約されるように思います。

ビジョンだけでもダメ、ハードワークだけでも必ずしもうまく行くとは限りません。

ビジョンとハードワークが組み合わされば最強でしょう。

極真空手の大山倍達は、千日を持って初心となし、万日を持って極みとする、と言っています。

これは、宮本武蔵『五輪書』に「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」というのがあるのを参考に作った言葉のようです。

万日と言えば、10000÷365=27.397260・・・

つまり、27年以上の稽古をして極みに達する、ということでしょう。

3歳から始めたとしても30歳まで稽古してようやくその道を極めることができるという意味でしょう。

よく、10000時間やれば一流になれると言われますが、これは1日10時間やれば3年で達成可能です。しかし、その程度は誰でもできます。

その世界で10年以上、毎日考えながら、集中して大量行動を続ければ大抵の目標は達成できると思われます。

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