新型コロナウイルスcovid-19については、ワクチン開発が世界中で活発に行われているようですが、最近の英国のデータでは、抗体ができにくく、できたとしてもすぐに消失するそうです。
これは、SaasやMersも同じで、いい抗体ができないようです。
大阪大学の宮坂教授によると、
抗体の中には少なくとも3種類のものがあります。善玉抗体と悪玉抗体と役なし抗体です。SARS(重症急性呼吸器症候群)や MERS(中東呼吸器症候群)では善玉抗体とともに悪玉抗体ができることが報告されています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20200516-00178807/
とのことです。この中で効果があるのは、善玉抗体で中和抗体とも呼ばれます。悪玉抗体ができると逆に病気が悪化するそうです。役なし抗体は抗体はできるもののウイルスを殺す能力はありません。
エイズウイルス(HIV)の場合は、役なし抗体ばかりができるので、ワクチンができないそうです。新型コロナウイルスもこうなるおそれもあり得ます。
その原因として考えられるのが、ウイルス表面に糖鎖がたくさんついているからではないかと私は推測しています。
抗体が結合するのはアミノ酸数個のペプチド部分が普通です。糖鎖に結合する抗体もできなくはないでしょうが、アミノ酸のように規則正しく違う糖が連続するのではなく、同じ糖が何個も結合していると、抗体はできにくく、その後もメモリー細胞(B細胞)に残らないのかも知れません。
もしそうとすると、新型コロナウイルスに対するいい抗体ができず、集団免疫もできない可能性があり得ます。抗体や免疫が効果が無いとすると、ウイルスを防除する方法は接触を避けるくらいしかなくなり、ロックダウンや移動の自粛、営業自粛が常時行われるようになるおそれがあります。
そうすると、経済が冷え込み、飲食店や旅館、ホテル、航空会社、鉄道などが赤字になり、倒産する会社も出てくるでしょう。
本庶佑先生が、免疫チェックポイント薬で、免疫が効かなくなったのを効くようにできたように、いい抗体ができないウイルスに対する抗体が効率よく作れるシステムができれば新型コロナウイルスの防除ができるようになると思います。
今、世界中の一流の製薬企業がワクチンの開発に取り組んでいます。何とかしてワクチンか、ウイルス増殖を妨害できる薬剤を開発して欲しいものです。アビガンのようにウイルスの複製(増殖)に効く薬剤であれば、抗体以外のメカニズムでウイルス増殖を止められますから。