新型コロナウイルスcovid-19のPCR検査の正確性について

私は、もともとPCRは日常的に行っていましたし、コロナに似た植物ウイルス(1本鎖+鎖RNAウイルス)の研究で博士号を取りました。その後、マイコプラズマ肺炎の検出キットについての特許訴訟にも関わりましたので、PCRの正確性の実態についてはかなり詳しいです。

私が聞いているところでは、新型コロナウイルスの検査は、身体の1箇所ではなく、3箇所以上から拭い液(鼻腔、咽頭、肺の拭い液)や唾液等を採取し、PCRのプライマーは2組4種類使っています(つまり2本1組で1断片が増えるので、4本で独立した2断片が増える)。ですから、非常に正確なやり方で検査をしています。

PCR検査はすべての検査方法の中で最も感度が高く正確な検査方法です。免疫を使った場合には、70-80%台や、時には50%以下の正確性のことさえありますが、PCRだと、悪くても90%前後です。それを2組のプライマーを使うわけですから、外れる確率は、0.1X0.1=0.01

これは、PCRで1組のプライマーの正確性が90%とすると、不正確になる率は10%、2組にすると、不正確になる率は、10%X10%で1%になることを意味しています。

つまり、PCRで陽性と出た場合の正確性は、99%と考えられます。

これとは別の方法として、nested PCRという手法も使っているそうです。こちらは、一度ある断片を増やし、さらにその断片の内側にプライマーを貼り付けて増幅させる手法で、これも、2種類のプライマーと同等の正確性があります。1説には、nested PCRを2回やっているとの情報もあり、その場合は、偽陽性率は1%よりもずっと低くなると思われます。

このようにPCR検査は最も信頼のおける検査方法です。ただ、感染初期などウイルス濃度が低い段階では、PCRの正確性は70%位になります。つまり、偽陰性が30%程度は出てしまいます。しかし、これは他の抗体等のキットを使っても同じことで、結局PCR検査が最も正確であることは変わりありません。

今は世界中がPCRを大量にやっています。日本だけやらないと世界から信用されません。患者数を隠蔽する行為とも考えられますから。

今東京都で感染者数が増えているように見えるのも、夜のお店系の従業員のPCR検査をしたから多く見えてるだけで、これまで少なかったのは、検査をしなかったからと考えられています。

しっかり検査して、無症状の感染者がどの程度いるのか把握することが感染症対策の基本中の基本だと思いますが、どういうわけか、厚労省が安倍総理のオリンピック招致等に忖度して、PCR検査をやらさないようにしていたようにも見えます。

もしそうだとしたら、国民の健康よりも権力に忖度したことになります。そういう官僚はいずれ天罰を受けることになるでしょう。

官僚も政治家も天に恥じない行動を取ってもらいたいものです。米国の政治家や裁判官の演説を聞いていると、本音で、自分の言葉で喋っています。大統領にはスピーチライターというのがいるようですが、それでも、魂のこもった言葉を発しています。日本の政治家は官僚の作文を読み上げるだけで、自分の意見を持っているように思えません。

今後は地域の自治体の首長がしっかり市民や県民を守るようにする必要があるように思います。