25浪の多浪受験生

私が受験して合格した弁理士試験では、25浪で合格した受験生がいました。彼がどういう人で、なぜ、25浪したのか、そして、なぜ25浪で合格できたのかについて動画で話しました。

弁理士試験は、今はかなり優しくなって10%くらいの合格率のようですが、その人が受験していたころは、合格率3%以下の狭き門でした。弁理士の数も全国で4000人台で、弁理士になって開業すれば年収2000万円、という時代でした。

いわばプラチナチケットだったわけです。

そのためか、多くの優秀な人が参入するわけですが、合格者枠は100人弱しかなく、非常に厳しい戦いが繰り広げられていました。

試験期間中全く寝ないで頑張る人もいましたし、特許事務所の受験生は、1,2カ月前から事務所を休んで試験対策する人も珍しくありませんでした。

しかも、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、条約、選択科目41科目の中から3科目、と合計8科目の試験でした。条約は一見1科目ですが、パリ条約、特許協力条約(PCT)、TRIP協定と実質3科目あったので、全部では8+3の11科目を勉強し、全科目60点以上を取る必要がありました。1科目だけは足切り以下でも受かれるとか、特許法等の余った点数が選択科目の方に加点されるとかのうわさはありましたが・・・

いずれにしてもそういう過酷な試験なので、何年も受験して合格できずに辞めていく人もいました。印象的だったのは、予備校の模擬試験では全国2位を何度も取った人が、どうしても弁理士試験に合格できず、司法試験に鞍替えした人もいました。受かれないからもっと難しい試験にチャレンジする、というのもなかなかの強者ですね。

さて、そういう試験ですので、一生合格できない受験生もいました。私のいた会社の特許部員はほとんどが弁理士試験を落ちた人で、弁理士を嫌っていました。また、特許事務所でも、弁理士試験を諦めて一生特許技術者として働く決断をする人もいます。

そういう場合は、所長も配慮して、昇給させる事務所もあります。つまり、弁理士試験の分、事務所の仕事は手を抜くことになるのを、すべてを事務所の仕事に振り向けられるので、給料が上がる、というわけです。

これは事務所にとって都合のいい話で、弁理士に合格されると、他所の事務所に移ったり、自分で開業されたりして、ライバルになり得ます。しかし、弁理士ではなく、特許技術者であれば、一生自分の事務所で面倒見ることで、忠誠を尽くす部下ができます。さらに、事務員の可愛い女性をあてがって仲人をしたりすれば、その所員は感動して、一生所長について行くでしょう。

さらにその事務員の女性を味方につけておくことで、夫が事務所の所長に反旗を翻すことも防げます。所員が弁理士試験を諦めることは所長にとってメリットが大きいわけです。

そういうわけで、弁理士試験を諦める人も多いなか、上の動画の人は25浪で弁理士試験に合格しました。給料も300万円くらい増えたそうです。ある意味、ハッピーエンドと言っていいのではないかと思います。

しかし、やはり資格試験は早く合格するに越したことはありません。浪人しそうであれば、以下の教材を手に入れて、成績が伸び続けるようにして1日も早く合格されることをお勧めします。

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